■オランダでは得難い経験を積めた

 ドルトムントが記録したボール支配率は、前半終了時が73%、試合終了時が75%。走行距離はビーレフェルトが上回ったが、そのデータは走らされたことの証と言えるだろう。マッツ・フンメルスに2ゴールを決められて、同じノルトライン=ヴェスト・ファーレン州に本拠地を置く昇格したばかりのクラブは、なす術なく完敗した。

 エールディビジでアヤックスと対戦したことがあるとは言え、ここまで完膚なきまでにねじ伏せられる経験は、堂安としても、なかなかないことなのではないか。そして、この鮮烈な敗北は日本人MFの中に刻み込まれ、新たな血となり、肉となるに違いない。ビッグクラブを図る“物差し”の基準を更新するには、格好のゲームだったのではないか。

 言ってしまえば、堂安はレンタル中の身。馴染んだ国から外に出て武者修行中の日本人アタッカーは、オランダでは得難い経験を、また1つ積んだのである。

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