「森保一監督に日本代表を託せるか」(2) “06年の失敗”と繰り返されたパターンの画像
日本代表 森保一監督 写真/サッカー批評編集部
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代表監督は、このまま森保一に任せるべきなのか。日本の次なる目標はワールドカップでのベスト8だ。2002年6月から、この目標は更新されていない。2018年ロシア大会ではラウンド16でベルギー相手に2点リードしながら追いつかれ、ラストプレーで決勝点を決められた。2022年カタール大会では、今度こそベスト8を果たし、その先へと進まなければならない。そのためにふさしい日本代表の監督は、はたして誰なのか――。

■2006年ドイツ大会で失敗した原因

 2006年大会の失敗の原因は、選手と日本協会の双方にあった。ジーコ監督の下、2004年のアジアカップ(中国)でしっかりとまとまり、2002年大会の経験をもつ選手が多数残ったうえに「欧州組」が増えた日本代表。しかし2005年6月にアジア予選を突破し、続いてドイツで開催されたFIFAコンフェデレーションズカップでギリシャに勝ち(1-0)、ブラジルに引き分ける(2-2)などで「手応え」をつかんだ選手たちは、チームより自分自身のことを考えるようになってしまった。

「ワールドカップに出場すれば、オレたちはそれで一生食っていける」

 1993年、ドーハでのワールドカップ・アジア最終予選を前にしたカズ(三浦知良)の言葉である。ワールドカップ出場を、「夢」などという少年っぽさのなかで語るのではなく、プロとしての「成功」の基準としてとらえていることに、彼の「先進性」が如実に表れていた。

 だが、その「成功」は、けっして自分をアピールしようとすることでは得られない。なぜならば、ワールドカップもサッカーにほかならないからだ。「チームとして戦う」というベースがなければ何も達成できないということを、いまでも、多くの選手が忘れがちになる。

 2006年の失敗の大きな原因がここにあった。予選を突破した後からチームの一体感が薄れ始め、大会初戦の2週間ほど前に開催地元のドイツと2-2で引き分けたことで、選手たちの足はピッチからフワフワと浮いてしまった。「勘違い」と「過信」はオーストリア戦(1-3)の最初の失点で「混乱」に変わり、相手の消耗につけ込んで勝つべきだったクロアチアと0-0で引き分け、最後はブラジルに子ども扱いされて(1-4)1次リーグ敗退が決まった。

 この大会では、日本サッカー協会の大会準備の失敗も見のがすことができない。数千人ものファンを入れてのコンディショニングキャンプの実施、大会前、やはり数多くのファンの目にさらされる形でのボンでのキャンプ、ドイツ代表が大会前のコンディショニングの「底」の時期となることから、ドイツ協会が大会後への試合延期を打診してきたにもかかわらず試合を強行し、選手たちがそこでまるで「ワールドカップ決勝」のように燃え尽きてしまったことなど、準備段階での失敗は、選手たちの「勘違い」と共通するものがあった。

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