クーマン監督がダブルボランチを採用した背景には、デ・ヨングの存在がある。オランダ代表で行っていたように、デ・ヨング中心のチーム作りが狙いとしてあった。それでは、ブスケッツはどうだろうか。基本的にはアンカーを務めてきた。しかしながら、スペイン代表でダブルボランチでプレーしていた時期がある。ブスケッツとシャビ・アロンソをボランチに置いたのは、ビセンテ・デル・ボスケ当時監督だ。

 だが実際はトップ下にシャビがいたため、セントラルハーフが3人いるような形で、中盤の3枚は自由にポジションを入れ替えていた。シャビが「3人目のボランチ」になり、彼らがパラレロ(平行)にプレーすることはなかった。

 現在のバルセロナは、デ・ヨングとブスケッツが平行にプレーして、時にバランスを失っている。レアル・マドリーとのクラシコで見せたような、ペドリとフィリップ・コウチーニョを下げて中盤を4枚にするというのは応急処置でしかない。

 そして、バルセロニスタ(バルセロナファン)は【4-3-3】でのプレーを望んでいる。これに最後まで苦しめられたのがバルベルデだ。混沌としたクラブ状況に顧みれば、クーマン・バルサについては及第点以上の出来だと言える。しかしシステムの問題は今後も議論の的になるだろう。

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