一方、指揮官の求心力が功を奏する場合もある。マドリーは、この夏にガレス・ベイルとハメス・ロドリゲスを放出した。ベイル(2013年夏加入/移籍金1億ユーロ/約120億円)、ハメス(2014年夏加入/移籍金8000万ユーロ/約96億円)と高額で引き入れた選手の放出は、ジダン監督の要望でなければ通らなかったはずだ。
とりわけベイルについては、2018年夏に退団したクリスティアーノ・ロナウドの後継者として、フロレンティーノ・ペレス会長が獲得した選手だった。無論、チャンピオンズリーグ3連覇の功績は大きい。そこに選手時代の貢献が上乗せされ、フロレンティーノ・ペレス会長が「天からの授かりもの」と評するほどジダン監督に絶大な信頼を寄せるに至った。ベイルの放出で、誰がマドリーの舵を握っているのかは明らかになったと言える。