■ヨーロッパでのテストマッチは継続すべき
今回の2試合を通して、すべてのポジションで序列が整理されたわけではない。さらに言えば、主力が存在感を示したDFラインやボランチについても、序列を変えていくような競争が望まれる。
コートジボワール戦の翌14日には、11月17日にメキシコと対戦することが発表された。11月も2試合組めるので、サッカー協会はさらにもう1試合の対戦相手も探していくだろう。
メキシコ戦はオーストリアで行われる。チームの強化という観点に立てば、ヨーロッパでのテストマッチは実りが多い。極東の日本へ移動してから戦うよりも、日本代表も対戦相手もコンディションがいいからだ。
メキシコは自国のクラブに所属する選手が代表に多く招集されているが、10月14日時点で日本と首都メキシコシティには14時間の時差がある。それに対して、メキシコシティとウィーン(オーストリア)は7時間だ。メキシコの国内組にとっても、ヨーロッパ開催のほうがコンディションは調整しやすいと考えられる。
最後に、森保監督の采配にも触れておきたい。
今回の2試合は「基本的なコンセプトの確認」を掲げ、選手たちに日本代表のサッカーを思い起こしてもらうことが主題となった。そのなかで、招集した23人のうちGKの川島永嗣、DF板倉滉、MF三好康児を除く20人を起用した。ピッチに立たなかった3人も、トレーニングを通して日本代表のコンセプトを呼び覚ますことができたに違いない。
11月はもう一歩進んだところから、チーム作りがリスタートする。クラブで好調な選手は積極的に起用し、チームの底上げをはかっていくべきである。