■東京はカップ戦にかけた
冷たい雨の中で労働を惜しまなかった東京。
アウェーでのセミファイナル一発勝負のスリル。
中立地でない一発勝負のセミファイナル。特異な環境。東京にとってはサポーターもいないアウェーという逆境。
しかも、東京はリーグ戦では2位というポジションとはいえ、首位の川崎には勝ち点で12、得失点差では33点と大きく水をあけられて、おまけにACLの影響で消化した試合数は川崎より2試合多い。実質的には7試合分のビハインドという計算になる。リーグ戦では優勝うんぬんは非現実的な話だ。
だからこそ、カップ戦のタイトルにかける東京の姿勢が注目された。1か月も前から、この試合に照準を合わせて、3日前の日曜日の湘南戦では主力の多くを休養させた。
全員で90分を守って戦うためのエネルギーを蓄えたということだ。こういう作戦が、いつもうまくいくとは限らない。中2日でも、通常通りのメンバーで試合をして、また、試合に臨むという方法もある。
東京は先発11人を総入れ替えでこの試合に賭けた。これがレアンドロの早い時間でのフリーキックで得た先制点で、さらに効果を発揮することになる。