横浜FC「2020年のビッグ・バン」(1)U-18プレミアでユース大健闘!トップはJ1で大波乱!の画像
浦和を粉砕した横浜FC・松尾佑介 撮影/中地拓也

横浜FCのサッカーがとても楽しい。13年ぶりとなったJ1の舞台で、ビッグクラブを向こうに回し、堂々のパス・サッカーを披露している。いったい何が起こったのか。そのヒントは、プレミアリーグ関東で戦うユース年代の活躍にあった。

■横浜ダービーのし烈な攻防

「高円宮杯U-18プレミアリーグ関東」で、今シーズンが初挑戦となる横浜FCユースが第4節終了時点で2位と好調だ。

 10月3日に行われた第4節は、こちらはプレミアリーグに復帰した横浜F・マリノス(横浜FM)ユースとの「横浜ダービー」となった。しかも、単なるダービーというだけでなく、試合開始の時点で横浜FCが首位、横浜FMが3位という上位対決でもあった。

 横浜FCが前に付けてくるパスをことごとくしっかりと予測して対応した横浜FMが立ち上がりに攻勢を仕掛け、早くも6分には16歳の川村舞弥が決めて横浜FMが先制。その後は、時間帯によって一進一退の攻防が続いた。

 縦へのボールを遮断された横浜FCはやや消極的になってしまったが、次第に改善してサイドからの仕掛けを意識。一方の横浜FMはトップチームと同じく、両サイドバックがインサイドMFの位置に上がって分厚い攻撃を見せる。

 後半に入ると、横浜FCは攻撃の圧力を強化して64分にはPKを獲得するが、永田亮輔のキックがクロスバーに嫌われてしまい、このまま横浜FMが逃げ切るかと思われた。だが、85分にカウンターからドリブルで持ち込んだ横浜FCのエース、中川敦瑛からのボールを追った佐々木柊真がGKに倒されて再びPKを獲得。今度は中川がきっちり決めて(86分)同点とする。すると、2分後にも中川が長距離をドリブルで運んでGKもかわし、カウンターの形から2ゴールめを奪って逆転に成功した。

 しかし、すぐに横浜FMも反撃。90分には横浜FMの角田惠風がミドルシュートを決めて2対2の引分けとなった。

 横浜FCとしては、1点のビハインドを追っての“攻撃モード”から逆転した後の“守備モード”への切り替えにもたついてしまった。もっとも、こうしたモードの切り替えはトップチームでも難しいものなのだから、ユース年代の選手にとっては良い経験となったことであろう。

 同日のゲームでFC東京U-18が流通経済大学付属柏高校を1対0で破った結果、プレミアリーグではFC東京が首位に躍り出て横浜FCは2位に後退したものの、依然として2勝2分0敗と無敗をキープしている。

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