監督は試合後、「後半はメンバーとシステムを変更した中で、前半はボールを“持たれた”、後半はボールを“持たせた”」と表現したが、“持たせた”ことを選手が理解して試合を進めたかどうかは、心理面で違いが大きい。

 三浦監督は、後半、メンバーを1人交代して中盤のシステムを変更。MFセルジ・サンペールに代えて入れたMF安井拓也に、MF山口蛍との2枚でダブルボランチを形成させた。MFイニエスタとトップ下に出してそのスペシャルな攻撃を促すと同時に、“持たせた”状態でも守備の強度を保つための采配だった。

 サンペールにとって、今年これまで先発した試合で最短の出場時間は57分。当然、前半だけで交代は初めてのことだ。そんなサンペールを三浦監督は試合後に呼び止めると、通訳も交えて青空会談。数分にわたってサンペールに言葉を紡いだ。おそらく、交代したサンペールにその意図などを説明したとみられる。

 三浦監督は「僕はいいのか、悪いのか、しつこい性格。何度も何度も選手とコミュニケーションを取っています」とも話したが、それは、普段のトレーニングだけでなく、試合のピッチでも同じようだ。

 これで3連勝を飾った三浦神戸。白星を重ねてはいるが、三浦采配には失敗もあった。それが、1失点目を生んだ左右で異なる守備システムだった。
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PHOTO GALLERY ■【画像】三浦監督が試合中に何度も見せたコミュニケーションシーン■
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