この8試合において、鹿島では6試合以上先発した選手が中盤以上では4人いるのに対し、川崎は2人。鹿島は中盤以上の先発メンバーを11人で回しているのに対し、川崎は13人。鹿島のほうが、メンバーが固定化されている。

 そして最大の違いは、“後半開始時点”にある。川崎が後半開始時点でMF・FWの選手を8人交代したのに対し、鹿島が後半開始時点から交代したMF・FWの選手は、比較した8試合で最後の大分戦での2人だけである。「8」と「2」――同じく勝利を重ねてきても、選手の“勤続疲労度”にはかなり違いがある。

 もちろん、出場時間以外にも遠征の距離・時間など他にも多くの要素がある。が、少なくとも川崎はなるべく多くの選手で負担を軽減する、という考えが徹底されているようだ。

 川崎は選手層が厚いといわれるが、ここまで大卒ルーキー2人をローテーションに組み込んでいる。FW旗手怜央は今季10試合先発9試合途中出場5得点、MF三笘薫は3試合先発13試合途中出場8得点。

 川崎は、新卒選手の特徴を見いだし、チーム戦術を理解させることで、選手層を厚くしている。今季はGKで若手の起用が多いが、前線の選手で“サプライズ”が多いほうが、“負担”という観点からいえばチームにとって大きいだろう。

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