J2移籍活発(1)北九州、新潟「本間至恩の脅威」で生まれる「新たな強み」【戸塚啓J2のミカタ】の画像
清水から新潟に移籍した鄭大世  写真:YUTAKA/アフロスポーツ
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■これまでとは違う勝ち方で首位堅持

 先制したら負けない。ギラヴァンツ北九州が“勝率10割”を守り、首位をキープした。

 9月13日に行なわれたアルビレックス新潟とのホームゲームを前に、北九州は先制した9試合すべてで勝利をつかんでいた。5連戦のラストマッチとなったこの日は、11分に左サイドバックの福森健太が直接FKを突き刺す。勝利の条件をいきなり満たした。

 後半開始直後の49分には2点目が生まれる。ディサロ燦シルヴァーノが左サイドからあげたクロスを、右サイドバックの野口航がヘディングでゴールに結びつけた。

 しかし、54分に1点差に詰め寄られる。そこから先は劣勢を強いられた。本間至恩の侵入を止められず、決定的なシュートを何度も浴びた。北九州もカウンターから相手ゴールへ迫ったものの、両チームが漏れなく決定機を生かしていたら、勝者は逆転していただろう。

 それでも、勝利は譲らなかった。GK永井堅梧の好守がチームを支えた。先制した試合の勝率は、依然として10割である。J2では北九州だけだ。

 チームの進化を感じさせる一戦でもあった。

 ここまでチーム最多9得点のディサロが、4試合ゴールから遠ざかっている。そのなかで、前節の愛媛戦は町野修斗の決勝弾で1対0にまとめた。今節は両サイドバックの得点が勝利につながっている。主砲が音無しになるとチームの勢いも止まってしまうという連鎖に陥らないのは、昇格争いを戦っていくうえで強みになる要素だ。

 最終盤は5バックで相手の攻撃を跳ね返した。勝点を逃さないためには、ときに割り切った戦いも必要になる。活動量とインテンシティで相手を圧倒するだけでなく、「守り切る」戦いを強みに加えるのも、J1昇格のために必要な条件と言える。

 北九州の強さについては、近日中に当事者たちの生の声を独自にお届けできる予定だ。J2復帰1年目の躍進には、必然的な理由がある──。

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