ビジャレアルの本拠地である、エスタディオ・デ・ラ・セラミカでの一戦となっ同ゲームたが、先手を取ったのは、ウエスカだった。

 ゲームはビジャレアルがボールを保持して回す局面が続いていたが、42分、中盤で岡崎も加わっての素早いワンタッチでのパス交換を経て生まれた右サイドのスペースに、DFのパブロ・マフェオがトップスピードで走り込んでくる。

 見事なトラップで中央に切り返し、そのまま左足でゴール左に叩き込んでみせた。

●ビジャレアル0−1ウエスカ

 マフェオは、つい先日加入が発表されたばかりの新顔。しかも、ハードマークが持ち味のDFが決めたゴールという、意外な展開となった。

 ウエスカのボールさばきは洗練されており、ワンタッチで驚くような展開を生み出すことができる。チームとしての成熟度の高さを窺わせた。

 開幕戦に弱いビジャレアルは、5年連続で勝ち星がない、という不吉なデータもあり、このまま終わってしまうのか、という危惧もあったものの、68分、ゴール前でウエスカDFマフェオのハンドがVARで認定されて、PKの判定。

 昨季、18ゴールを挙げているエースのジェラール・モレノがPKを右サイドに流し込んで、同点に追いついた。

●ビジャレアル1−1ウエスカ

 そして、77分。ついにその瞬間が訪れる。

 久保建英が背番号16番のユニフォームをまとい、首から背中にペットボトルに入った水をかけ、飲みながら、指揮官エメリが懸命に出す指示にうなずく姿がカメラに映し出されたのだ。

 その堂々とした態度は、新加入の19歳とはとても思えなかった。

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