現在、オランダの1部リーグ、エールディビジでは4人の日本人選手がプレーしている。日本代表の板倉滉もフローニンゲンの一員として、ヨーロッパで3年目となるシーズンを迎える。日本代表の将来を担うと期待される逸材は、どんな思いでヨーロッパで戦い、新シーズンに臨んでいくのか話を聞いた。
■突然進みだした移籍話
オランダでの新シーズンに向け、板倉は連日の2部練習など、ハードなトレーニングで準備を進めている。ひたすら前だけを向いて突き進んでいるが、1年半前に突然始まったヨーロッパへの挑戦は、想像を超えるものだったという。
世界トップクラスのマンチェスター・シティからの招きには、日本中が驚いた。板倉自身も、信じるまでには時間を要したという。
――マンチェスター・シティからの話をどう受け止めましたか。
「嘘だと思いましたね。絶対に嘘だろうと思っていましたが、時間が経つごとに現実的になっていって、『本当なんだ…』という気持ちに変わっていきました」
――10月くらいにオファーがあったと聞いていますが、周囲もご存じだったのでしょうか。
「そのくらいの時期は、オファーというよりも、話が来ているという段階でした。現実になるかわからない状況でしたが、少しずつ話はしていて、具体的になったのは仙台の天皇杯での試合が終わってからです。シーズン中から話はあったわけですが、僕自身が嘘だろうと思っていたくらいで、その話がシーズンが終わったら急進んだという感じです」