■ステップアップには圧倒的な存在感が必要

――仙台でプレーしながら、「来年には海外に行くぞ」といった気持ちはありましたか。
「そこまでの思いはありませんでした。早く海外に行きたいという気持ちがあったかというと、そうではなくて。それこそ、シーズンが終わって、自分の中ではもう1年仙台でやろうと思っていましたから。その状況でシティから話をもらって、それはいかないわけにはいかないだろう、と。自分の中で、決めていたことがあったんです。海外に絶対行きたいという気持ちはありませんでしたが、もしも声がかかった時には断らないだろうな、という考えは自分の中で固まっていました」

 シティからすぐにフローニンゲンへ期限付き移籍し、今シーズンも期間を延長してオランダでプレーすることになった。

――フローニンゲンでもう1年プレーすることを、どうとらえていますか。
「すごくポジティブにとらえています。ここでやると決まったのだから、まずは試合に絡んで、アピールする。とにかくフローニンゲンで集中してサッカーをすることが大事だと思っています。その先にステップアップする道が見えてくるといいですね」

――そのためにやらないといけないことは何ですか。
「とにかく試合に絡む、試合に出続けることは最低限やらないといけないと思います」

――センターバックとして移籍していく選手は、何が違うと考えますか。
「単純な言い方になってしまいますが、強くて速くてうまい、そういう選手が結局上に行っていると思います。圧倒的な存在感をチームの中で出している選手ですね」

 

(プロフィール)
いたくら・こう 1997年1月27日、神奈川県生まれ。小学校4年生で、立ち上げられたU-12チームに1期生として加入して以降、トップチームまで川崎フロンターレ一筋で育った。2018年には、期限付きでベガルタ仙台へ移籍。2019年1月には、イングランドの世界的名門マンチェスター・シティへと電撃移籍。すぐにオランダのフローニンゲンへ期限付き移籍し、昨季は年間を通して主力としてプレー。U-18から年代別日本代表に選ばれ続けており、昨年6月にはフル代表でもデビュー。来年の東京オリンピックやワールドカップでも活躍が期待されている
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