ネイマールの代役探しは難航した。ウスマン・デンベレ、フィリップ・コウチーニョ、アントワーヌ・グリーズマンの獲得に3億4500万ユーロ(約420億円)が費やされた。
補強に失敗しただけではない。スビサレッタのあと、スポーツディレクターの職に就いたのはロベルト・フェルナンデスだ。その後、ペップ・セグラ、エリック・アビダル、ラモン・プラネスが「三頭体制」で補強を担当。だが2019年夏にセグラ、2020年夏にアビダルがクラブを去り、いまやプラネスが一人で補強に携わっている。あまつさえ、ロナルド・クーマン新監督に主力選手への「戦力外通告」を任せているのが現状である。スポーツディレクターの入れ替わりが激しければ、補強は上手くいかない。一貫性が失われるからだ。
監督も同様に、バルベルデ、キケ・セティエン前監督、クーマンと一貫性がない。「クライフイズム」という聞こえのいい言葉に誤魔化されてはいけない。確かにバルベルデとクーマンはエル・ドリームチームの一員だった。セティエンに関してはポゼッションを提唱するクライフを信奉する指揮官だった。だがこの3人に通じるものは一切感じられない。もとより、一貫性をもって選ばれた監督であれば半年で解任されることはないだろう。