「メッシとバルトメウ」―—新生バルセロナの憂鬱(2)「権力の行方」―ただMだけが残ったの画像
リオネル・メッシ 写真:代表撮影/ロイター/アフロ
この夏、「メッシの退団騒動」が世間を大いに賑わせた。リオネル・メッシバルセロナからの移籍を真剣に検討していた。現地時間8月25日にburofax(ブロファックス/内容証明郵便)を送り、9月4日に残留を明言するまで、バルセロニスタの心は一向に落ち着かなかった。なぜメッシ退団騒動は起きたのか。そして、今後のバルセロナはどうなるのか。それは決して目を背けてはならない問題だろう。

ネイマールを逃して

 

 「ネイマールは2000%残留する」

 「契約解除金を支払うクラブが存在しない」

 バルセロナは高を括っていた。だが、ここで彼らは国家クラブの恐ろしさを肌で感じることになる。パリ・サンジェルマンが契約解除金2億2200万ユーロ(約275億円)を支払い、瞬く間にネイマールを攫(さら)っていった。

 すると、バルトメウと理事会に対して不信任動議に向けた動きが出始める。ソシオ制を敷くバルセロナでは、一定の条件を満たしたソシオが不信任動議を求め署名活動を行うことができる。アグスティ・ベネディトの主導で署名集めが行われた。

 結果から言えば、バルトメウが辞任に追い込まれることはなかった。その大きな要因は、エルネスト・バルベルデ元監督がネイマールが抜けたチームを立て直し、2017-18シーズンの開幕から連戦連勝を飾ったところにある。バルベルデの手腕により、バルトメウが救われた。だが、そのバルベルデが、最終的にどういった扱いを受けたかは言うまでもない。

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