出番は唐突にやってきた。
後半の途中まで順調に試合を進めていた柏レイソルだったが、勢いよくゴールキックを飛ばした中村航輔がそのまま倒れてしまった。はじめはよくあるスリップだと思ったが、その手は腰に当てられていた。
スタッフが駆け寄り、一度は立ち上がったものの、結局そのまま担架でピッチを去った。
キム・スンギュが加入した今年のレイソルは、中村とキムの2人がハイレベルな競争をしながら併用でシーズンを戦い抜くのが当初のプランだったはずだ。
プレシーズンのちばぎんカップで中村が負傷したことで、開幕戦はキムがピッチに立ったが、7月18日以降は全試合で中村がスタメンを張っている。
日韓の代表クラスの2人が1つのポジションを争っていては、それ以外のキーパーの出番はどうなってしまうのだろうか?
控えキーパーの出番として最も順当なのはカップ戦だ。昨シーズンのルヴァンカップ決勝で川崎フロンターレの新井章太がヒーローになったように、2番手が輝く場所は例年そこにあった。
滝本晴彦もそうだった。ルヴァンカップのグループリーグ2試合で出番を手にし、2勝。しっかりと結果も出した。