鹿島にとっては、1ケタ順位をうかがえる10位に浮上。開幕4連敗で断トツの最下位だった悪夢から、やっと解放されそうなところまで持ってくることができた。
4連敗以降の9戦の成績は、4勝3分2敗。勝ち点奪取率こそ55.5%とやや物足りなさもあるが、勝ち越している事実は大きい。今年の鹿島のスタートの苦しさを考えれば、“カシマ復権”とは言えなくとも、かなり上向きの状態と言えるはずだ。
今年のリーグ開幕戦メンバーを見ると、5人が新加入選手。特にディフェンスラインは初々しく、両サイドバックが新加入選手であるだけでなく、センターバックの2人は昨年の鹿島で出場試合が「0」と「22」と、決して中核と呼べる選手ではなかった。
選手だけでなく、監督もザーゴが新しく就任し、新たな戦術を植え付けようとした。新監督が新しいやり方を導入するのは当然なのだが、新メンバーで新戦術を入れようとすれば浸透するまで時間がかかる。その浸透までの“不具合”に、チーム全体で耐えた。
FC東京戦も、鹿島とすれば内容面で決して完璧だったわけではない。ただ、いい時の鹿島にあった“内容が悪くても勝ちに持っていく”を彷彿とさせ、非常にプラスに評価できる。