8月20日、日本のサッカー界を牽引してきた内田篤人の引退が発表された。23日のホームG大阪戦(カシマスタジアム)がラストマッチになる。 鹿島で史上初の3冠達成、シャルケで欧州チャンピオンズリーグのベスト4入り、日本代表メンバーとしてW杯に2度の選出など、輝かしい実績を誇る。
その内田に、弊社が発行する『Football Bar』(フットボール・バル)で、かつて2万字インタビューを敢行。内田は何を考え、何を目指していたのか。2014年当時のインタビューからその思いを探る。
内田のラストマッチとなる8月23日の翌朝に、欧州チャンピオンズリーグの決勝が行われる。今年の対戦カードはパリサンジェルマンvsバイエルン・ミュンヘンだ。この世界最高峰の舞台に、内田はこれまで29試合出場している。
当時、内田は〈チャンピオンズリーグの経験は大きいですよね〉との質問に、こう答えている。
「チームメイトがいいですからね。やっぱりどこの国に行ってサッカーするのかも大事だし、どこのチームでやるかっていうのも大事だと感じますね。チャンピオンズリーグに出場するようなチームで、活躍し続けるっていうのが大事だと思うんです。1回だけチャンピオンズリーグに出るんじゃなくて、2回、3回って、毎年出られるような。それも、継続ということじゃないですかね」
このときの内田は、直近の4年間でチャンピオンズリーグに出ていた。そのうちの1回は、ベスト4入りしている。
「そう。1回だけヨーロッパリーグを挟んで。でも、そこでヨーロッパリーグとチャンピオンズリーグの違いが分かったことも大きかったし、いいことですよね」
欧州チャンピオンズリーグは、W杯と並んでサッカー選手にとっての憧れの舞台といえる。そのピッチに29度も立ち、所属しているリーグ以外の強豪と真剣勝負をしてきた。レアルマドリードやバルセロナ、あるいはバイエルンやマンチェスター・シティが、その頂きを目指し、手を抜くことなく勝利を目指す。ここで勝負してきたことで、“一番成長した部分”を聞いてみたのだが、彼らしい答えが返ってきた。
「どうですかね。サッカーは数値が出るわけじゃないですからね。チーム競技だし。だから、何とも言えないんですけど」
ディフェンスについて聞いてみた。サイドバックとして、やはり守備の局面で難しい場面に何度も遭遇していただろう。
「やっぱりヨーロッパは、サイドアタッカーのレベルが違いますからね。足が速い選手もいるし、上手い選手もいるし。そういう点でも、敵と対峙するときは、味方にファルファンみたいな選手がいると楽ですよね」