■一貫性のない補強

 バルセロナが最後にチャンピオンズリーグで優勝したのは2015年だ。当時の監督であるルイス・エンリケの下、メッシ、スアレス、ネイマールの「MSN」が躍動。ベルリンで行われた決勝でユヴェントスを破り、主将のシャビ・エルナンデスがビッグイヤーを掲げた。

 あれから、5年ーー。「ベルリンのメンバー」は老いた。先述した選手たちは決勝でスタメンに名を連ねていた。彼らはすでにベテランの域に達している。また、アンドレス・イニエスタ、ダニ・アウベス、ハビエル・マスチェラーノ、ネイマールの穴は基本的に埋まっていない。

 なかでも2017年夏のネイマールの退団は大きかった。これは最早語るまでもないだろう。2億2200万ユーロという大金を置き土産にパリ・サンジェルマンに移籍したネイマールの代わりを見つけるのは簡単ではなかった。ウスマン・デンベレ、フィリップ・コウチーニョ、アントワーヌ・グリーズマンの獲得に関しては成功したとは言い難い。

 イニエスタの後釜にはフレンキー・デ・ヨングが選ばれた。アウベスの代役の右サイドバックにはネルソン・セメドとセルジ・ロベルトが併用されてきた。だが彼らは監督交代と繰り返される戦術とシステムの変更で本来の特徴を生かせないままプレーを続けている。それは偏(ひとえ)に補強のプランニングに一貫性がないからだ。

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