■スタジアムに回転寿司方式を

 スタジアムでは、トイレの使用はハーフタイムと試合終了直後に集中する。とくに冬場だと、ハーフタイムには、男子トイレにも長蛇の列ができる。新しいスタジアムではトイレの数はずいぶん増やされているのだが、日本のスタジアム・トイレの最大の欠陥は「動線(人の動きの軌跡)」が考慮されていないところにあり、それは新しいスタジアムでもあまり改善の様子がない。

 男子トイレでは、必要なのは、小便器の並んだ区域、個室の並んだ区域、そして手洗い場の区域の3つになるのだが、ほぼ例外なく入り口と出口が同じで、はいる人と出る人がぶつかり、大混乱になる。これは、入り口と出口を別にすれば簡単に解決がつく問題だ。入り口からはいって小便器のエリアで用を済ませ、個室のエリアを通り過ぎ、手洗いエリアでささっと手をぬらせば出口になるという形だ。外国のスタジアムでは当たり前のようにあるこの形が、なぜ日本で普及しないか、不思議でならない。

 私の夢は、「回転寿司方式」の小便器だ。弧を描きながらゆっくりと動くベルトコンベアに約70センチ間隔で小便器が並んでいる。ベルトコンベアに乗って小用を足し、数十秒たつと手洗いエリアにたどり着くので、「乗客」はそこで下車する。そしてトイレはさらに進んで「振り出し」に戻り、新しい人を乗せるという仕組みである。この方式なら、人の流れは格段に良くなる。汗をかかない冬場にはどうしても小用が長くなるが、ベルトコンベアのスピードを調整すればよい。予算が許せば、「乗客」を下ろしてから振り出しに戻る前に洗浄と乾燥を済ませれば,清潔なことこの上ない。誰かこのアイデアを買ってくれないだろうか。

 もうひとつのアイデアは「小便器用発電機」だ。小便器に「水車」のようなものを取り付け、くるくると回すことで発電するのである。また、体温なみの温度をもつ小便の熱を生かした「熱差発電」も可能なのではないか……。真冬のスタジアム、試合が終わって記者室のある階まで降りると、多くの記者がトイレに直行する。その列の後ろに並び、低い声で「長いぞ~」と前の人をののしりながら、「このエネルギーを水に流してしまわず、何とか役立てられないだろうか」と、私はひとり妄想してしまうのである。

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