■いきなり最強クラスと対戦する備えと覚悟を
しかし、本当に心配しなければいけないのは、来年の3月下旬に始まる最終予選のことだ。なにしろ、10月と11月の代表ウィークを逃すと3月の最終予選初戦まで代表としての活動がまったくできないのだ。そうなってしまったら、2019年秋以来、代表のブランクは1年半にも及ぶことになるのだ。
最終予選では、いきなり3月の初戦から最強クラスの相手(たとえば、韓国やオーストラリア、イランなど)と戦うことになるかもしれない。したがって、そのための準備として、10月、11月の4試合はフルメンバーで戦っておきたいところだ。
ただ、状況が状況なだけに、一部の選手の招集が不可能になった場合、あるいは海外組の帰国が難しくなった場合。さらには、ワールドカップ予選そのものの再延期や中止。さらには予選の形式変更等々、あらゆる状況を想定して準備をしておく必要がある。
たとえば、海外組が日本に戻ることができないような状況になった場合には、ワールドカップ予選の試合は国内組だけで戦って、それとは別にヨーロッパのクラブに所属している選手を招集して、ヨーロッパの域内のどこかでトレーニングと練習試合を行うようなことも考えるべきだろう。
事態はすべての面で流動的。こんな状況で代表チームの心配などしているべきではないのかもしれないが、将来のことを考えたら、現在の状況下で最適の選択をしながら将来に備えておかなければならない。
新型コロナウイルス感染症をめぐる混乱は、最低でも1年程度、最悪の場合は2、3年続くことだろう。その間、さまざまな不測の事態に直面することになるだろうが、若いチームの強化には穴を開けないように対処していく必要がある。
今年から新しく技術委員長に就任した反町康治氏は、監督時代にはディテールにこだわり、あらゆる状況に対応すべく準備を怠らない監督だった。今後の各年代別代表の強化プランに関しても綿密なプランを立てていってほしいものである。