この試合で生まれた4得点はいずれも途中出場の選手が絡んだものだった。とはいえ、前半にも中央の小林が、左右の家長と旗手がサイドを繰り返しえぐり、中央では細かいパスをつないで相手守備陣を翻弄するなど、得点の予感を常に漂わせていた。むしろ、早い段階でチャンスを生かしきれなくても、90分間でしっかりと攻略するため、と割り切っているかのようだった。

 試合後にFW小林が「途中から出た選手が結果を出すことでチームとしてもワンランク上にいける」とコメントを残したように、「個」よりも「チーム」として勝利への気持ちが強かったことは、川崎の現在の好調さを表していよう。

 これで5試合連続で3得点以上の得点を奪い、勝ち点19も総得点20得点も首位を独走していることになるが、鬼木監督は「よりゴールにこだわっていきたい」と得点への渇望を失っていない。むしろ、「勝ちながら成長しよう」と、さらなる高みを目指している。

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