■合理性と戦う姿勢が融合
5節にして全勝が消えたJ2には、無敗のチームがふたつある。
ひとつは4勝1分けで首位を走る長崎。もうひとつは1勝4分けの町田だ。
開幕から4試合で2得点1失点。
手堅いゲームで勝点を重ねてきた町田は、5節・新潟戦で3ー3と珍しく激しい撃ち合い演じた。
2点を先行しながら追いつかれ、再度リードしながらも終了間際に追いつかれるという悔しい展開となったが、それでも躍進への期待を十分に抱かせる内容だった。
今季の町田をひと言で表現するなら「やっかいなチーム」だ。
華麗さや意外性といった“装飾”を排除した、鍛え上げられ軍隊のようなチーム。
今季最多失点を喫した新潟戦でも、そんな町田らしさは十分に見て取れた。
失点しないことに重きを置く町田は、フィールドプレイヤー10人が近い距離を取り、自陣のスペースを消すところからゲームを始める。
網の目を狭くするのは、つねに集団として戦うため。
その網の目を構成する一人ひとりが、非常にしぶとい。しっかりと身体を張り、抜かれそうになってもしつこく食い下がる。身体を入れ替えられるような、軽いプレーもしない。
合理性と戦う姿勢の融合が、無敗という結果を生んでいるのだ。