外国籍選手を使わなかった大宮
昨シーズン３位の大宮は、千葉とのアウェイゲームに臨んだ。
ボール保持率こそ劣るものの、決定的なシーンをほぼ許さずに時間を進めていく。前半終了直前の４５＋５分には、小野雅史の直接ＦＫがゴールネットを揺らす。相手選手に２度当たってコースが変わる幸運に恵まれ、１対０でハーフタイムを迎えた。
３－４－２－１のシステムを敷く大宮は、ディフェンスの局面では５－４－１の立ち位置でブロックを形成する。そのうえで、２シャドーの一角に入るイッペイ シノヅカの存在が千葉に脅威をもたらす。このドリブラーが鋭いシュートを浴びせることで、守勢一方の展開を避けることができていた。最終盤には２トップから３トップに変更した相手の攻撃を跳ね返し、大宮は１対０のまま終了のホイッスルを聞いた。
試合後の高木監督は、「久しぶりの公式戦で、アウェイで、勝点３が取れたことは、今日の場合は非常に大きい」と話した。４か月以上ぶりの公式戦はリモートマッチと名付けられた無観客試合であり、蒸し暑さが漂うなかで前後半に一度ずつ給水タイムが設けられた。
不確定要素は多かった。それだけに、「今日の場合は」勝点３をつかんだことが何よりも評価できる、という理解なのだろう。
この日の大宮は、新加入の外国籍選手がひとりも起用されていない。ＧＫフィリップ・クリャイッチはサブで、ＤＦヴィターリス・マクシメンコ、ＦＷネルミン・ハスキッチはベンチ外だった。
その一方で、大卒１年目のＣＢ西村慧祐がスタメンで起用された。直接ＦＫを決めた加入２年目の小野も、先発出場は初めてだった。チームの底上げを感じさせながら勝利をつかんだことにも、価値を見出すことができる。
