コロナ禍による中断が明けて再開したラ・リーガでややもたつくバルセロナに、内紛報道だ。リオネル・メッシとアントワン・グリーズマンが練習中に言い争って掴み合いになり、キケ・セティエン監督やチームメイトたちに引き離されたという。
原因など詳細は不明だが、もともとメッシは昨夏のグリーズマン獲得に反対で、当初から不仲説がささやかれていた。この一件を報じた地元ウェブメディアの『ディアリオ・ゴル』は、6月16日のレガネス戦でメッシがグリーズマンに一度もパスを送らなかった事実を挙げ、2人の間の決定的な亀裂を伝えている。
グリーズマンは今シーズン終了後の放出が既定路線とも言われているが、同じチームに2人のスーパースターは並び立たないものなのか。
グリーズマンに代わって、バルサ復帰が取り沙汰されているのがネイマールだ。本人もその希望を隠さないが、そもそも3年前の夏にバルサを飛び出したのは、メッシと並び立つことはできないと悟ったからだ。
決定的だったとされる出来事が、パリ・サンジェルマンと対戦した2016ー17シーズンのチャンピオンズリーグのラウンド・オブ16だ。第1レグの0ー4から、第2レグの6ー1で歴史的な大逆転勝利を果たしたバルサの立役者は、2ゴール・2アシストをマークしたネイマールだった。しかし、メディアに躍ったのはメッシの名前で、このまま彼と一緒にいてはチームのナンバーワンにはなれないと確信したネイマールは、パリSGへの移籍を決意したというのが定説になっている。ただし、ネイマールとメッシの関係は良好で、ネイマールの復帰をメッシも望んでいる。
そのネイマールが、新天地のパリSGでぶつかったのが、エディンソン・カバーニだ。前年のリーグ・アン得点王でエースに君臨するカバーニが蹴ろうとしていたPKを、血気にはやるネイマールが横取りする形で蹴ってしまったことで、両者の間に軋轢が生まれた。その後、ネイマールは謝罪したり、PKをカバーニに譲ったりして関係修復を図り、今シーズンまで3年間一緒にプレーしているが、ともに怪我などもあり、ピッチで輝きを放ち合った試合は少ない。カバーニは契約満了による今夏の退団が決まっている。