6月中〜下旬のシーズン再開を目指して協議を進めるプレミアリーグで紛糾しているのが、中立地開催の問題だ。英政府のガイドラインで示された中立地開催に、多くのクラブが反発。5月11日に開かれた全20クラブの代表会議では、過半数の12クラブが反対、もしくは難色を示したと、『デイリー・メール』紙は報じている。ホームアドバンテージを失うことになる中立地開催に一貫して異を唱えてきたのが残留を争う15位のブライトンだが、はたしてホームで戦う“地の利”とは、どれほど大きなものだろうか。
各チームが28〜29試合を消化した今シーズンのプレミアリーグでは、ホームチームの勝率は44・8%で、アウェーチームの勝率30・2%を大きく上回る。昨シーズンも、ホーム勝率47・6%に対してアウェー勝率は33・7%と、勝率の開きはほぼ同じだった。つまり、ホームで戦う場合、勝つ確率は15%ほど高くなるというわけだ。
ちなみに、欧州のその他の主要リーグでは、ラ・リーガはホーム勝率47・8%に対しアウェー勝率24・4%とホームアドバンテージが大きい反面、セリエAは40・2%対37・1%、ブンデスリーガは39・8%対32%とそれほど大差がない。日本のJ1は、昨シーズンのホーム勝率が41・8%でアウェー勝率が34・6%と、ブンデスリーガに近い。
今シーズンのプレミアリーグで最高のホーム勝率を記録しているチームはリバプールで、15戦全勝の勝率100%だ。2位はマンチェスター・シティで69・2%、3位はレスター・シティで60%と続く。ブライトンは28・6%と勝率自体は高くはないとはいえ、4勝6分け4敗と五分の成績で、2勝5分け8敗で勝率13・3%のアウェーと比べれば、ホームアドバンテージは一目瞭然だ。そのホームで、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、リバプール、マンチェスター・シティとビッグクラブとの対戦を残しているブライトンは、地の利を失う中立地開催をどうしても避けたいわけだ。