■プレミアにしがみつきたい経済的メリット

 そして、そうまでしてプレミアリーグにしがみつきたいのは、経済的メリットが大きいからだ。テレビ放映権料などリーグから受け取る分配金は破格で、昨シーズンは17位でギリギリ残留したブライトンでも1億270万ポンド(約134億5400万円)という巨額を手にしている。残留によってこれがなくなるのは、クラブにとって文字通り死活問題だ。

 チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの出場権を争う上位陣にとっても、大会に出場できる、できないで収入は雲泥の差だ。昨シーズンのチャンピオンズリーグでベスト8に終わったマンチェスター・ユナイテッドとマンチェスター・シティでも、9000万ユーロ(約104億円)超を得ている。

 そうでなくても、今シーズンはコロナ禍による経済的損失が甚大だ。『BBC』によれば、プレミアリーグは再開した場合でも、放映権を持つ国内外の放送局に3億4000万ポンド(約445億4000万円)の違約金を求められることになるという。そうなれば、各クラブはさらに大幅な減収を余儀なくされる。中立地開催の反対は、残留を争うクラブにとって藁にもすがる思いと言えるだろう。

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