■バルセロナとの場外クラシコが勃発
2011年、サントスに所属していたネイマールにマドリーが再び触手を伸ばす。マドリーは医療スタッフのカルロス・ディエスをブラジルに送り込み、ネイマールにメディカルチェックを受けさせた。2012年夏のロンドン五輪終了後に、マドリーに移籍する手筈を整えていた。
その時、マドリーは移籍金6000万ユーロ(約69億円)を用意していたとされ、当時、クリスティアーノ・ロナウド(移籍金9600万ユーロ)、ジネディーヌ・ジダン(7200万ユーロ)、カカー(6500万ユーロ)に次いで史上4番目の移籍金でネイマールを迎え入れる予定だった。
だが、またしても移籍は成立しなかった。サントスは会長選を控えるデリケートな状況にあった。容易には所属選手の移籍の公式発表ができなかった。まして、ネイマールはすでにサントスのエースになっていたのだ。サンドロ・ロセイ会長が直々にブラジルに赴いたバルセロナが、迅速に動き、2013年夏にネイマールの獲得を決めた。
その後のバルセロナとロセイの顛末は知っての通りだが、ネイマール獲得失敗でペレスのプライドとマドリーのブランドイメージは傷つけられた。その前年、メスト・エジルの獲得でバルセロナに先んじていたものの、それが免罪符として機能しないほどに、ネイマールの移籍は大きなトピックだったのだ。