フランスのエドゥアール・フィリップ首相は4月28日、国内での大規模なスポーツイベントの9月までの開催禁止を発表。これによりリーグ・アン(1部)とリーグ・ドゥ(2部)の2019ー2020シーズンの打ち切りが事実上決定した。
新型コロナウイルスの感染拡大で3月13日から国内リーグの中断を余儀なくされていたフランス・サッカー連盟は、6月17日の再開を目指していたが、今回の政府決定により10節を残す今シーズンの続行を断念せざるを得なくなった。現在の順位を最終成績として優勝チームや昇格・降格チームを決めるのか、あるいは無効とするかは未定だ。
リーグ・アンは打ち切りが確定してしまったが、ヨーロッパの「4大リーグ」はどうなるのだろうか。
最短で5月9日の再開を目指しているのが、ドイツのブンデスリーガだ。1部と2部を統括するDFL(ドイツ・フットボール・リーグ)のクリスティアン・ザイファートCEOは、「ブンデスリーガは再開の準備ができている。5月9日か、あるいはその後日になっても」と語り、早期再開に自信を覗かせる。ただし、政府の許可が下りるのが大前提で、ザイファートCEOは「再開がいつになるのか、そもそも再開できるのか、決定権は我々にはない」とも話している。
バイエルン・ミュンヘンをはじめブンデスリーガの各クラブは4月上旬から練習を再開している。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は4月30日に国内16州の知事と会談し、5月3日までの現行の「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)」措置を継続するか緩和するか決める予定で、ブンデスリーガの再開もその決定に準じることになりそうだ。DFLは、再開後の全試合は無観客で開催するとしている。3月13日から中断しているブンデスリーガは9節を残す。
ジュゼッペ・コンテ首相がロックダウン(都市封鎖)解除に向けた段階的な措置を発表し、5月4日から選手の自主練習、同18日からチーム練習が許されたイタリアのセリエAは、5月27日から6月2日の間に再開し、8月上旬にシーズンを終えるスケジュールで調整を進めている。3月9日から中断しているセリエAは12節を残している。
イタリア・サッカー連盟は、練習再開に当たって全選手に感染検査を実施し、チーム内でも選手やスタッフを少人数ずつ分けて隔離するなどの安全対策を講じるとしている。