楽しくて創造的な仕事
いよいよグラウンドづくりである。
まず、「このあたりがコーナーのひとつか」というところに目星をつける。大変申し訳ないが、この部分だけは「カン」である。ここを「第1のコーナー」と呼ぶ。
そこにくだんの「3×4×5」の直角3角形をもってくる。そして90度の角度に合わせてまずひとりの選手にひもの先端をもたせ、ゴールラインと想定した方向に走らせる。そして別の選手にひもの巻き束本体を持たせ、ゴールラインから90度の方向に走らせる。
ちなみに、私のやり方でグラウンドをつくるには、少なくとも十数人の選手が必要になる。すなわち、チーム全員でやる作業であることをお断りしておく。
ひもをもって最初に走った選手が「2番目のコーナー」のところに立ったらそこにマークをつけさせ、立ったままにしておく。そして2人目の選手が行き着いた先が「第3のコーナー」である。ひもはここで切らせる。
「第2のコーナー」と「第3のコーナー」までひもが届いたら、ここでもういちど「90度」を確認する。この段階での厳密さがすべての成功のカギとなる。
実はここまでくれば「サッカーグラウンドづくりという創造的な仕事」は終わったようなものである。あとは作業だ。
ラインカーを2台使い、まず2つのラインを引く。
3つのコーナーが決まったら、「第2のコーナー」と「第3のコーナー」に走らせた選手たちを、ひもの先端をもったまま「第1のコーナー」まで戻らせる。「第3のコーナー」から100メートルも走って戻るのは大変だが、サッカー選手だから問題はない。
彼らが「第1のコーナー」まで戻ったら、真ん中あたりで引っぱる。両ラインのひもを二つ折りしたところ、そこが「中央」である。ゴールラインならゴールの中心であり、タッチラインならハーフラインの位置である。そこをマークする。
ゴールラインの中央が決まったら、そこにゴールを運んで設置する。ゴールの材質にもよるが、重ければ1基に6~10人ほど必要かもしれない。
こんどは、「第1のコーナー」でひもを押さえていた選手を含め、3人のひもをもった選手を、ひもから絶対に手を離さないように注意して、別々の方向に走らせる。「第2のコーナー」の端をもっていた選手を「第3のコーナー」へ、「第3」をもっていた選手を「第2」に、そして「第1のコーナー」でひもを押さえていた選手を対角線の方向へ。ひもが張り詰め、3人が位置についたところで、「第1のコーナー」から移動してきた選手のいるところが「第4のコーナー」となる。
「第4のコーナー」が決まったら、ラインを引き、「第2」と「第3」の端をもつ選手が「第4」まで走って再び「中央」を決定するのは同じである。
「ゴール運び部隊」が2つ目のゴールを運んでいるとき、残りの選手は、まず残ったひもを使って「ハーフライン」を引き、ひもを半分に折って「センターマーク」を決める。
そうしたら「9.15メートル」の出番だ。センターマークを中心にセンターサークルを引く。
さらに別の選手は、「5.5メートル」と「16.5メートル」のひもを使い、ゴールポストの内側からゴールライン沿いに計って「ゴールエリア」と「ペナルティーエリア」の位置を決める。
ここまでで、すでに「タッチライン」「ゴールライン」「ハーフライン」「センターサークル」が引かれ、2つのゴールも置かれている。手の空いている選手は、「1メートル」のひもを使い、「コーナーエリア」の「4分の1円」を引く。