■新型コロナウィルスは国籍に関係ありません

——現在はサッカーの試合が全て中止になっていますから大変だと思います

 今は報道陣も練習場に行けない状況ですね。取材したいと思っても、日本のクラブではオンラインでインタビューさせてくれるところが少ないと思います。

 僕の仕事の1つはロンドンの会社向けの記事としてJリーグのことを書いています。リーグが延期になったとき、しばらくは女子チームの話などの仕事を振ってもらって書いていたのですが、もう終わりました。あとは日本のサイトに月2本ぐらい原稿を書いていますが、メインの仕事は3月半ばぐらいでなくなりました。サッカーがないと本当に困りますね。今は貯金でとりあえず生きてます。

——その他問題はありますか

 今、日本の永住権を申請しています。2019年9月末に申し込んで、4カ月から1年間かかると言われました。永住権が取れるまではビザを更新しなければいけないのですが、もしこのまま仕事がなく、スポンサーが見つからなければビザの更新が難しくなるかもしれません。それはすごく問題です。

——ヨーロッパから帰国した中に感染者がいたことで外国人が差別されているのではないかという懸念を持っています

 そういう差別は日本だけではないですね。ヨーロッパではアジア人が差別されているようです。ライプツィヒでは観戦に来た日本人グループが強制退場させられたりしました。あれは本当にひどいと思います。

 日本ではレストランで「日本人しか入れません」と英語と中国語で書いた貼り紙をしていたところがあったようです。それはおかしいですね。新型コロナウィルスは国籍に関係ありません。今は世界中、どこでも誰でも感染しています。

 新型コロナウイルスは海外から来たのだから外国人は避けようとか、日本だけは安全な国だというのはおかしな考えです。でも僕は外国人として日本を批判しようとは思いません。差別をする人はいますが、それは日本だけの問題ではありません。僕はそういう人に反論するではなく、無視することにしています。世界がもう少しオープンになってよくなれば、そういう考え方はなくなると思います。

Sean Carrol(ショーン・キャロル) 1985年4月26日イングランド生まれ。2009年から日本に在住しJリーグや日本代表を精力的に取材している。JapanNews NHK AP通信、The Bllizzard、アル・ジャジーラなどに寄稿している。
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