2006年の「THE LEGENDS' ENGLAND VS GERMANY CHARITY FOOTBALL MATCH」でプレイしたボリス・ジョンソン 写真:REX/アフロ
2006年の「THE LEGENDS' ENGLAND VS GERMANY CHARITY FOOTBALL MATCH」でプレイしたボリス・ジョンソン 写真:REX/アフロ
 世界的に広がった新型コロナ禍。ボリス・ジョンソン英国首相も発症し、4月6日には集中治療室に入ったことも報じられた。日本のJリーグの再開時期も未定だが、ヨーロッパではスペイン・イタリアの両国の被害が甚大で、見通しはまったく立っていない。そうした状況を日本在住のイングランド人ジャーナリストのショーン・キャロルはどう見ているのか。緊急インタビューを敢行した。

◎インタビュー・文/森雅史

——経済的な問題は生じていませんか?

 仕事が少なくなっても会社勤めの人は給料の80パーセントをもらえます。これは政府が会社に補助するからです。ですがフリーランスと自営業の人は大変な思いをしていますし、当然ながら失業してしまった人も困っています。日本で言う厚生労働省は、ただでさえ日本より失業率が高いのに、急に失業者の人数が増えてとても忙しいようです。

 また住居の問題があります。イングランドではここ30年ぐらいで文化が変わって、持ち家のある人が少なくなってきました。もし家を買いたかったら、たぶんデポジットで3万ポンドが必要になるのです。そうでなければ銀行からモーゲージ(抵当権)がもらえません。だからみんなが家をレンタルしています。

 今の問題は、家賃が払えないからホームレスになりそうということで、そのほうが物資がないことよりも重要になっています。もちろん感染してる人は毎日増えていて、それも問題ですが、経済がすごく悪化していると思いますね。ブレグジットもあるし、もうイギリスは終わってます(笑)。

——ショーンさんは日本でサッカー記者として活動しているのですが、生まれた年と来日したきっかけを教えてください

 1985年、昭和60年生まれです。昭和っていうとすごく古く感じますね(笑)。

 イギリスの大学生だった2007年、僕は日本人とスイス人とのダブルだった女性と付き合っていました。彼女の実家が日本にあり、そこに泊まれば航空券さえ手配すれば滞在費がかからないということで、ヨーロッパの他の国を巡るよりも長く旅が出来そうだと訪日しました。

 当時の僕に日本の知識はありませんでした。アニメは見ていなかったし、日本語は話せなかった。でもその日本旅行で大好きになりました。僕は静かなタイプだし、ルールを守りたいほうで、だから日本の社会がすごく自分に合うと思ったのです。

  1. 1
  2. 2
  3. 3