■2011年との違い

——ショーンさんは2011年東日本大震災も経験しています。当時と比べたらいかがでしょうか

 2011年東日本大震災のときとは少し違っていますね。あのときは被害者の方がたくさんいらして、みんなサッカーの試合を見に行く気力もなくなっていたけれど、西日本は他の地域に比べると影響は小さかったから。でも今は全世界的に影響があります。

 東日本大震災の時は生産も物流も出来なくなって品不足になりました。ですが今は製造できるし物流も動いているのに品不足ですね。みんなパニックになっていると思います。パニックしなければみんな買えるはずです。ビールもちゃんと棚にあります。

 イングランドもいろんなものが商品棚からなくなっていますが、それもみんながパニックしてるからですね。僕の祖父は91歳で母と離れて暮らしてるから、母が祖父のためにネットスーパーでいろいろな品を注文していましたが、次のオーダーは3週間後しか配送できないと言われたそうです。

 でも母も慌てていますね。祖父はそんなに食べないはずですから。それに食品はたくさんあるようです。スーパーマーケットも営業しています。日本と同じで、カップラーメンやツナ缶などは少なくなっているようですが。

——イギリスは3月23日に外出禁止令が出ました。生活に大きな影響があるようですか

 イングランドのロックダウンは、1日1回運動のため、ジョギングや犬の散歩などでは外に出られます。スーパーへ買い物にも行けます。もっとも、スーパーと薬局しか営業していないそうです。映画館も閉まってるし、サッカーもない。また外に出たとき3人以上が集まるのは禁止です。もし違反すると警察が罰金を科すことが出来ます。

 そういう状況ですから、外に出ても意味がないのでみんな家にいることしか出来ません。では仕事はどうしているかというと、みんなリモートワークです。リモートワークが発達しているおかげで、いろいろなの人たちは会社にいる必要がありません。

 だからみんなは今、自分の家にいて、Zoomのグループコールでお互いの顔を見ながら飲んでいるようです。乾杯して、みんなでNetfelixを見ながら話をするとか、そんな時間の過ごし方をしているようです。テクノロジーのおかげで助かっていますね。これが50年前だったら安否すら分からなかったと思います。僕も祖父にFacebookで連絡したりしています。

 イングランドにいるの友人とは、世界中で感染者が確認されるようになってから前よりも頻繁に連絡するようになったかもしれません。でも男同士はあまり心配し合ったりしないですよね? 男の友人に対して「大丈夫ですか? 何か足りないものはありますか?」とか言いませんよ。普通の話ばかりです。「元気? イングランドでは毎日家にいるから退屈してるよ」などという会話ですね。

※後編につづく

Sean Carrol(ショーン・キャロル) 1985年4月26日イングランド生まれ。2009年から日本に在住しJリーグや日本代表を精力的に取材している。JapanNews NHK AP通信、The Bllizzard、アル・ジャジーラなどに寄稿している。
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