■1945年の第2次世界大戦以来のこと

——3月19日にはプレミアリーグの中断も決まりました

 イングランドのサッカーがこんなに見られないなんて1945年の第2次大戦以来でしょう。4月1日にはウインブルドンの中止も決まりましたが、これも大戦以来だと思います。

——今はどんな問題が生じていますか

 プレミアクラブは、選手以外のスタッフの給料の80パーセントを支払うために政府に援助を申請しましたが、それが批判の対象になりました。選手や監督の給料が非常に高額なので、それを下げるべきではないかという意見が出たのです。

 でも、プレミアリーグの選手のサラリーは非常に高いのですが、その下のカテゴリーのプロ選手は、一般人に比べると高いにしてもそんなに高額ではありません。PFA(プロフェッショナル・フットボール・アソシエーション:プロ選手協会)は何かしたいのですが、選手全員10パーセントを返上というわけにもいかないでしょう。僕はサッカー選手だけじゃなくて高額所得者がしっかり税金を払ってくれればいいと思います。

——シーズンも大詰めまで来ているのに再開の時期が見えません

 シーズン終盤なのでそんなに試合数は残っていません。なので、今年のEUROが延期されて空いた期間に消化すればいいのではないかと思います。今はワールドカップのように、どこかの地域に全クラブを集めて、1日4、5試合ずつ消化して1カ月で終わらせようという案も出ているようです。移動がないというメリットもあります。放送局もそうしてほしいらしいですね。

——2月中旬まで新型コロナウィルスはアジア中心の問題として捉えられていたように思います

 2月の時点で友達は僕のことを心配していなかったのですが、母はやぱり心配していました。もっともいつも母親は心配するものですね。今回だけではなく、「ドナルド・トランプ大統領と金正恩書記長が対立していて日本は危なくなるので帰ってこい」と言われたこともあります。

 母は2月に「新型コロナウイルスは危ない。五輪も中止になるかもしれない」と言っていました。でも僕は「いやいや、問題ないよ。メディアでは大きく扱われるかもしれないけれど、それは今だけ。五輪は巨額な金額が動いているから延期になんてならないよ」と答えてたのです。

 でも2カ月経つと母の言葉のほうが正しかったとわかりましたね。そう言えば2月に母が「8月には帰ってこられないよ。もし危なかったら帰らないで、そのまま日本にいたほうがいい」と言っていました。でも、それも僕は「ずっと先だから大丈夫だよ」と楽観視していたのです。

ショーン・キャロル氏
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