清水エスパルス
清水エスパルス

清水エスパルス 2020年チーム展望

<戦力評価> D
<今季の目標> J1残留
<補強分析> D
<戦術> E
<フロント力> D

 

 日本の「サッカー王国」を本拠地とするクラブは今季、大きく変化しようとしているように映る。逆襲へと、大きな賭けに出た格好だ。

 リーグ創設時の「オリジナル10」であり、年間優勝こそないものの、1999年にはステージ優勝し、カップ戦も数度制覇してきた。2015年にJ2降格の屈辱を味わったものの、1年でJ1へ復帰。ただし、その後の3シーズンで1ケタ順位は2018年の1度だけと、王国復活の日はまだ来ない。

 清水が変化の期待を寄せたのが、昨季に横浜F・マリノスのヘッドコーチとしてJ1優勝に貢献したピーター・クラモフスキー監督だ。新指揮官は、横浜FMを日本の頂点に導いた攻撃的なサッカーを、清水にもたらそうと考えている。

 ただし、ここまでの公式戦2試合では、まだ形になっていない。ルヴァンカップ第1節の川崎フロンターレ戦では、開始10分での先制点被弾など前半だけで2失点。後半には盛り返す時間帯もあったものの、終盤から連続で3失点している。

 リーグ開幕戦ではホームで序盤から勢いに乗り、FC東京相手に先制に成功する。だが、やはり終盤にPKを含む3連続ゴールを許して、逆転負けを喫している。

 昨季の清水は、J1最多の69失点を喫した。失点が60台に乗ったのは2チームだけで、ワースト2位の湘南ベルマーレが63失点であることを考えれば、失点数の多さは突出していた。

 昨季の最終ラインからは、松原后(→シント・トロイデン=ベルギー)が欧州へ羽ばたいていった。一方で、年代別代表に選ばれ東京五輪も狙える岡崎慎(←FC東京)を期限付きで、J1での経験も豊富な奥井諒(←大宮アルディージャ)、サイドも中央もこなせる金井貢史(←名古屋グランパス)、ブラジル人のヴァウド(←セアラ―SC=ブラジル)らを加えた。だが、公式戦2試合で8失点と、まだ望んだ結果には程遠い。

 それでも目指す攻撃サッカーがゴールという結果を伴えばいいのだが、結局は1試合1点どまり。新戦力のティーラシン・デンダー(←ムアントン・ユナイテッド=タイ)は良い動きを見せて、得点も奪っている。だが、チームとしてチャンスはつくっているが決め切れず、最後には大量失点と、ちぐはぐな試合運びとなっている。

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