クラブトップの変化は、起爆剤となるか

 思えばアンジェ・ポステコグルー監督が就任初年度の横浜FMも、その2018年には攻撃サッカーが空回りし、前年の5位から、最終節までJ1残留が確定しない12位へと順位を落とした。その過程も含めて、チーム戦術に合うように大胆に選手を入れ替え、まったくチームをつくり変えた結果、昨季の優勝につながった。果たして清水も、そこに至るまで監督に添い遂げ続けられるか、あるいは適切な見極めができるか、フロントの力が問われることになる。

 クラブはゼネラルマネージャーを替えるなど、強化部等でも人事異動を行った。そしてトップには、プロ野球の千葉ロッテマリーンズの元社長、山室晋也氏を迎えた。

 銀行マンであった山室新社長は、慢性赤字に落ち込んでいたロッテを黒字に転換させるなど、優れた経営手腕で知られている。他競技ながら同じプロスポーツで結果を出した「プロ経営者」が、今度はサッカー王国復活というミッションに挑むことになる。

 清水は昔からのサッカーどころであるゆえに、発言力のある多くの有力者の思惑が複雑に絡み合い、クラブ運営に悪影響がもたらされてきたと指摘する関係者もいる。とにかく、今季現状の結果も含めて、ここまでずっと結果が出ていないのは事実だ。プロ野球界からやって来た新社長、これまでにないスタイルをもたらそうとする新監督と、これまでの停滞感を払拭する起爆剤になる可能性はある。

 吉と出るか、凶と出るか。プロサッカーもギャンブルも、結果がすべてである。

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