新監督の戦術にかかる期待

 補強に関しては、収支はややプラスか。多くのアシストを残した永戸勝也は、鹿島アントラーズへと移籍した。リーグ戦出場が前年の33試合から17試合に減っていたもののキャプテンを務めていた大岩一貴(→湘南ベルマーレ)、梁勇基(→サガン鳥栖)といったベテランも去った。前線では、昨季チーム2位の6得点を挙げたハモン・ロペスが抜けている。ただし、主要どころの多くを残留させることができた。

 開幕を迎えるにあたり、負傷で離脱していた選手もいる。公式戦2試合を終えた時点では、木山監督の戦術の浸透具合は及第点には足りないが、問題は長いシーズンを戦っていく中でのチームの成長度合いだ。シーズン最後に、笑うことはできるだろうか。

 2018年度の営業収益は、前年度よりもやや下がっていた。東北最大の都市を本拠地とするとはいえ、全国的なビッグクラブとの差はまだまだ大きい。

 だが、「いろいろなことを駆使してやれば、大きな戦力に立ち向かえると思うので、頭を使ってやっていきたい」と木山監督は語る。「自分たちのメンタルも含めて、立ち向かっていく姿勢を大事にしたい。何事にもポジティブに向かっていく姿勢でできれば、少しずつよくなると思う。もっとできると思うし、そういうポジティブな面をもっと出していければ、変化はあると思う」。そう語るJ1初挑戦の指揮官に、仙台は命運を預けた。

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