ベガルタ仙台
ベガルタ仙台

ベガルタ仙台 2020年チーム展望

<戦力評価> D
<今季の目標> J1残留
<補強分析> C
<戦術> D
<フロント力> D

 

 就任以降、毎年のように主力選手を引き抜かれながら、チームマネジメントの手腕を発揮して6シーズンにわたりJ1残留を果たしてきた渡邉晋監督が、昨季限りで退任した。木山隆之新監督とクラブにとって、試練に立ち向かうシーズンとなる。

 2014年途中にグラハム・アーノルド監督の退任に伴いコーチから昇格した渡邉前監督は、1ケタ順位でシーズンを終えたことはなかった。だが、オフのたびにレギュラークラスが他クラブに流出しながら、フォーメーション変更や戦術の駆使でJ1残留を続けた実績は、高く評価されていい。

 長期政権の後を継ぐのは、誰にとっても簡単なことではない。しかも新任の木山監督は、J2でしか指揮を執った経験がない。だが、昨年のモンテディオ山形まで9シーズンにわたって4クラブを率い、水戸ホーリーホック、愛媛FCといった資金力の乏しいクラブを含めて、すべてのチームを1ケタ順位に導いてきた。新天地でも、その「やり繰り上手」の披露が期待されることになる。

 今季初の公式戦となったルヴァンカップでの浦和レッズ戦では、突破力やクロスの精度など浦和の個人の力で差をつくられ、5失点を喫して敗れた。だが、その1週間後の名古屋グランパスとのリーグ初戦では、押される時間が長いながらもセットプレーの流れから先制。前半のうちに追いつかれたものの追加点は許すことなく、勝ち点1を手にした。

 シーズン開幕を前にして、木山監督は名古屋との開幕戦について「戦術的な監督が率いられているので、タフな試合になると思う」と予想していた。イタリア人のマッシモ・フィッカデンティ監督を念頭に語ったものだが、戦術的なやり合いには「得意ですよ」と不敵な笑みを浮かべていた。確かにルヴァン杯・浦和戦からメンバーも変えつつ、修正は施されていた。

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