第12節までを終えたJ1リーグに、新鮮な風が吹いている。秋春制移行の「2026/27シーズン」、首位のFC町田ゼルビアと勝点で並ぶ2位に、FC東京がつけているのだ。長らくJ1を戦っているが、ここまで熾烈な首位争いを演じるのは久々のこと。圧倒的なポテンシャルを秘めた首都のクラブは、ついに悲願のJリーグ制覇を成し遂げられるのか。開幕直後の“壊滅的な崩壊”から驚異のV字回復を見せたチームの真価を、サッカージャーナリスト・大住良之が検証する。【第1回/全3回】
■ 1-5の大敗と退場劇。悪夢のような「壊滅的」スタート
10月25日に行われたJ1第12節、水戸ホーリーホック戦を6-0で圧勝したFC東京。これで9月上旬からJリーグで7試合連続無失点、その間の成績を6勝1分として勝点を首位のFC町田ゼルビアと並ぶ27に伸ばし、得失点差でもわずか1差の2位につけた。
8月開幕となった最初のシーズン、今季のFC東京のスタートは「壊滅的」だった。
味の素スタジアムに町田を迎えた開幕戦、FC東京は前半5分にGK金承奎(キム・スンギュ)から始まった攻撃でFWマルセロ・ヒアンが先制点を挙げ、幸先の良いスタートを切った。そしてその後もFW長倉幹樹との連係でマルセロ・ヒアンが次々と町田の最終ラインを突破、14分にはDF室屋成のパス1本で抜け出したマルセロ・ヒアンが2点目を決めたかと思われたが、わずかに「肩」が出ていたというVAR判定で認められなかった。
その後も活発に攻め続けたFC東京だったが、27分に一瞬の隙を突かれて同点にされると、38分にDF橋本健人が一発退場になり、前半のアディショナルタイムに逆転ゴールを許してしまう。
橋本の退場後の前半残り時間は、長倉に代えてDF石原広教を投入し、「4-4-2」から「4-4-1」の形に変更した。しかし1点のビハインドとなったことで松橋力蔵監督は「同点、逆転を狙う」ことを決断、後半に向けてMF俵積田晃太に代えてDF大森理生を投入する。
右MFでプレーしていたMF佐藤恵允を最前線でマルセロ・ヒアンと並べる3バック(3-4-2)の形を選択したのである。しかし後半立ち上がりに町田MF相馬勇紀に直接FKを決められて1-3とされると、チームのまとまりが崩れ、さらに2点を追加されて1-5という大敗を喫してしまった。
翌節はヴィッセル神戸とのアウェイゲーム。FC東京は長倉のゴールで先制したものの、直後にGK金承奎がボールを持ち替えようとしたところを神戸FW大迫勇也に狙われてゴールに押し込まれ、後半再び長倉がゴールを奪ったものの、アディショナルタイムに同点ゴールを喫して2-2の引き分けに終わった。
2節を終えて1分け1敗、得点3失点7、勝点1。この年前半の「百年構想リーグEAST」では首位鹿島に次ぐ2位を占め、18試合で26得点16失点とバランスの取れた試合を見せていただけに、自信を持って「2026/27シーズン」に臨んだFC東京だったが、いきなりピンチに立たされたのである。


























