水戸VS浦和「10対11極限攻防」の代償と光明(2)水戸の健闘を支えた「大きな武器」と不在が響いた2人、替えの利かない浦和MFと期待したい「消えた背番号10」の奮起の画像
浦和レッズにとって、替えの利かない選手となっている金子拓郎(上段右上)。曺監督の中で序列が下がっているように映る渡邊凌磨(下段左から2番目)。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 過酷な連戦のなかで行われたJ1第10節・水戸ホーリーホック対浦和レッズの激闘。前半早々の退場劇により10人となった水戸の堅守を前に、数的優位の浦和は焦りを募らせていく。第2回では、劇的な決勝点をもたらした後半の攻防を徹底解剖。さらに、主力不在に悩む両チームの現状と、序列低下が顕著な渡邊凌磨の“起用法”に潜む指揮官のメッセージを読み解く。【第2回/全2回】

■好調・金子拓郎がもたらす脅威と、10人の水戸を救う「大崎のロングスロー」

 では、第1回に続いて、後半の試合分析を続けよう。

 DAZN Japanのダイジェスト映像に沿って解説していくので、読者の皆様は、文章を読む際にぜひ実際の試合映像と照らし合わせて読み進めてほしい。

https://www.youtube.com/watch?v=nYUbUVNPmOY

 

【60分】マテウス・サヴィオのシュートがGK正面を突く場面

 またしても金子拓郎(浦和)のパスが決定機を創出する。中央にポジションを取ってボールを収め、上がってきたサヴィオ(浦和)へ柔らかいパスを供給。

 あるいはサイドに流れて鋭いクロスを入れるなど、金子の好調さが停滞するチームを活性化させている。今の浦和において、彼は間違いなく替えの利かない選手だ。

 

【69分】大崎航詩のロングスローの場面

 浦和の守備は「完全マンマーク」か「マンマークとゾーンの併用」を相手によって使い分けているが、この試合では併用型を採用していた。

 一方の水戸にとって、大崎航詩(水戸)のロングスローは数少ない得点源の一つだ。この場面では加藤千尋(水戸)のオーバーヘッドキックは枠を外れたが、1人少ない水戸にとって大崎の強肩は、浦和の脅威となる大きな武器になっていた。

 

【80分】多田圭佑のミドルシュート場面

 GKヤクブ・スウォビック(水戸)からのロングフィードが、前がかりになった浦和の最終ラインの裏へ。多田圭佑(水戸)がキープして独力で突破し、勢いのあるシュートを枠内に飛ばす。ここはGK西川周作(浦和)のファインセーブで事なきを得た。

 多田は加入当初に比べて身体もできあがり、パワーも格段についている。積極的にスタメンで起用していけば、必ず結果を残せるポテンシャルを感じさせた。ぜひ継続して使ってほしい選手の一人である。

 

【92分】劇的決勝点! 笹修大のヘディングシュート場面

 後半アディショナルタイムに生まれた決勝ゴール。実はこの直前の91分にも、金子がクロスを上げる似たような場面があった。

 水戸側の視点で見ると、左サイドから上げられたクロスを大崎が見送ってしまい、こぼれ球を相手に回収されたことが失点の直接的な原因だ。ボールが右から左、左から右へと激しく動くことで、水戸の守備陣は横へ振られ、マークにズレが生じてしまった。

 笹修大(浦和)が完全にフリーでヘディングシュートを打てたのは、10人で耐え続けた水戸の選手たちが、最後の最後で左右の揺さぶりに足と頭を順応させられなかったからだ。

 とはいえ、後半アディショナルタイムまで数的不利の状況で「0-0」で耐え抜いた水戸の執念と戦いぶりは、手放しで称賛されるべきだろう。

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