ルヴァンカップから中2日。過酷な連戦下で行われた明治安田J1リーグ第10節・水戸ホーリーホック対浦和レッズの一戦は、開始早々のアクシデントによって両指揮官のプランが大きく崩れ去る波乱の幕開けとなった。不可解なレッドカード、焦るストライカー、そして数的優位でありながら攻めあぐねる浦和。混沌とした前半戦の戦術的攻防を、サッカージャーナリスト・川本梅花が鋭く分析する。【第1回/全2回】
■試合を壊した“14分の悲劇”と、両監督の苦渋の決断
10月17日、水戸信用金庫スタジアムで行われた水戸ホーリーホック対浦和レッズの一戦。ルヴァンカップのファーストラウンド3回戦から中2日しか経っていない過密日程を考慮し、両チームともに先発メンバーを7人入れ替えて試合に臨んだ。
水戸は「4-4-2」の中盤をボックス型にするシステムを採用。ケガ人を多く抱える苦しい台所事情の中、本来2列目で起用したい加藤千尋をフォワードに配置した。
対する浦和は「3-4-2-1」の3バックで構える。センターバックには根本健太ではなく、工藤孝太を起用。これは、守備の安定感を重視した曺貴裁(チョウ・キジェ)監督の判断だろう。
試合は、両チームにとって予期せぬ展開からスタートした。前半10分過ぎ、スライディングでボールをケアしようとした瀬古樹(浦和)の足に、仙波大志(水戸)の足が乗る形になったのだ。
主審はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入を経てオンフィールドレビューを実施。結果、仙波のプレーを「著しく不正なプレー」と判定し、レッドカードを提示した。仙波は当然「故意ではない」と猛アピールしたが、判定が覆ることはなかった。
この試合の運命を決定づける、極めて大きなポイントである。
開始早々に10人となった水戸は、最終ラインに人数をかけて耐え抜く戦いを選択せざるを得ない。攻撃はセットプレーか、ロングフィード一発でディフェンスの裏を狙う形に限定された。
一方、1人多くなった浦和も逆に攻めにくさを抱えることになった。水戸がラインを低くして徹底的に守りを固めたため、攻撃のスペースが完全に消滅してしまったのだ。浦和としては、ボールを左右に動かして水戸の守備ブロックを揺さぶり、自らスペースをこじ開けていくしかない。































