■同点弾を生んだ巧みなパス回しと、見過ごせない「守備の軽さ」、苦境のチームを救うのは誰だ?

【26分】浦和の南野遥海による同点ゴールの場面

浦和はいかにして、相手のバイタルエリアにスペースを創り出したのか? その要因は、浦和が意図的に多用した「横パス」にある。
 浦和が横パスを効果的に使うことで、相手ディフェンダーは思い切ってラインを上げられなくなり、ボールを目で追うだけの「ボールウォッチャー」へと陥っていく。浦和はパス回しによって相手がプレッシャーに出るタイミングを奪い、「まだ行く必要がない(行けない)」という迷いを見事に生じさせたのだ。

 相手の中盤に激しいプレッシャーをかけさせないことで、最終ラインを低い位置にくぎづけにする。本来なら相手がアグレッシブにプレスに出るべき時間帯だったが、浦和の巧みなボール回しが完全にコントロールしていた。

 結果として、FW南野遥海がシュートを放った場面のように、浦和は自らのパスワークによって最も危険なバイタルエリアのスペースをこじ開けてみせたのである。

【68分と73分】岡山のレオ・ガウショのシュート場面

 どちらのシーンも、岡山のFWレオ・ガウショが自らシュートを外して事なきを得た場面である。ストライカーとしてのポジショニングも良く、動き出しのタイミングも抜群だった。しかし、肝心のシュートがともに雑すぎた。

 ここで指摘したいのは、対する浦和の左ウイングバック・長沼洋一と、DF工藤孝太の守備の「軽さ」である。この場面での対応はいただけない。もっと粘り強くボールホルダーにアタックし、自由を奪う必要があったはずだ。「相手のシュートミスで助かった」だけであり、自陣の危険なエリアでピンチを招くきっかけを簡単に作ってはならない。

 決勝点に関しては、(1)で解説したため、ここでの説明は控える。

 多くの体調不良者を抱え、まさに非常事態に陥っている浦和レッズ。次節となる19日の第8節・東京ヴェルディ戦に向けても、当日まで誰が出場できるか予断を許さない状況が続く。しかし、この苦境こそがチーム一丸となる試金石だ。控え選手にとっては絶好の経験の場であり、チーム全体の底上げを図る大きなチャンスだとポジティブに捉え、次なる戦いに臨んでほしい。

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