主力選手多数が体調不良で欠場するという非常事態に見舞われた浦和レッズ。前節から6人ものスタメン変更を余儀なくされたファジアーノ岡山戦では、急造の3バックが機能不全に陥り、GK福井光輝の“判断の迷い”も重なって苦しい展開を強いられた。記事後半となる今回は、実際の試合映像(DAZN)のタイムラインに沿って、なぜ浦和の守備陣は後手に回ってしまったのか、その根本的な要因を戦術的視点から徹底分析していく。
■徹底分析で紐解く失点の要因。なぜ浦和はラインを上げられなかったのか?
ここから細かく場面に従って試合を解説していきたい。試合分析は、DAZN Japanの以下のダイジェストに追順する。読者の皆様は、文章を読む際に、実際の試合映像と照らし合わせて読み進めてほしい。
https://www.youtube.com/watch?v=jcc7ldtpguM
【17分】ファジアーノ岡山のフリーキックからの大森博の先制点
浦和はストーン(※コーナーキックなどの守備時にニアサイドやポスト付近に配置され、クロスボールを跳ね返す役割を持つ選手)を2人配置し、残りはマンツーマンで守る陣形をとった。開幕当初はマンツーマンとゾーンの併用だったが、ここにきて責任の所在がハッキリするマンツーマンディフェンスを採用している。
対する岡山は、ショートコーナーを仕掛けてきた。ここで岡山がボールを下げれば、浦和の最終ラインは押し上げることができる。しかし、岡山が横パスでボールを回し続けたため、浦和はプレスのタイミングを逸し、一向にラインを上げられない。浦和のディフェンスラインはズルズルと低いまま保たれることとなった。
ここで、浦和MF植木颯が岡山の右サイドへプレスに向かうが、勢い余って転倒してしまう。ここは本来なら無理にボールへ飛び込まず、岡山のMF本山遥の前に立って静態(コースを限定)すればいいだけの場面だった。
しかし、この一瞬の判断の誤りが本山遥を完全にフリーにしてしまう。そのままペナルティエリアへのドリブル侵入と決定的なパスを許し、最後はMF大森博に痛恨の先制シュートを決められてしまった。
【19分】ルカオが単独ドリブルからシュートを放つ場面
岡山のFWルカオのこのプレーを見て、かつて東京ヴェルディなどで無双したフッキ(元ブラジル代表)の姿を思い出した読者も多いのではないだろうか。浦和のディフェンダー陣が束になっても、彼をまったく止められない。たった1人で局面を打開されてしまう、相手の圧倒的な個の力を見せつけられた場面だ。
幸いだったのは、このシーンやもう一人の助っ人FWレオ・ガウショのプレーにも共通することだが、彼らが馬力にあふれた力強い突破を見せる一方で、最後のフィニッシュ(シュート)が雑だったことだ。浦和からすれば、完全に相手のシュートミスに救われた形である。もしゴールの枠に飛ばされていれば失点に直結していた場面であり、圧倒的な「個」に対する守備の脆さを露呈してしまったことは重く受け止めなければならない。



























