■ただ回すだけじゃない。常に「裏」を狙う破壊力
ちなみにリカルド・ロドリゲス監督は熊坂の存在感は認めながらも、さらに改善の余地があると言う。おそらく、中盤の展開だけでなく攻撃に直結する仕事もしてほしいのではないだろうか?
たとえば、第3節V・ファーレン長崎戦、後半32分の柏の3点目(勝ち越し点)はCBの古賀が縦に鋭いボールを中川敦瑛に通したことで生まれた得点だった。中川がワンタッチで最前線にいた瀬川祐輔に通し、瀬川が狭いスペースで鋭いドリブルで抜け出して落ち着いて決めたものだ。
第2節の東京ヴェルディ戦、後半20分の柏の2点目も、古賀のパスを渡井理己が渡したもので、長崎戦の3点目と同じようなゴールだった。古賀は長崎戦の前半には自らドリブルで運んでチャンスをつくった場面もあった。
熊坂が、中盤でのパスで組み立てをするのと同時に、古賀がやっているような直接ゴール前に直結するプレーができるようになれば、さらに一段と高いレベルのMFになれるだろう。
パス・サッカーを志向するチームは往々にしてボールを保持してパスがつながることで満足してしまい、なかなかフィニッシュにつながらないことがある。
だが、柏の良さはパスを回しながらも常に相手守備ラインの裏を意識していることだ。長崎戦でも1トップの垣田裕暉やシャドーの山内日向汰などがいわゆるポケットを取ることを意識して再三にわたって決定機をつくっていた。また、CBの原田がポケットに走り込む場面も珍しくない。
縦パスをトップやシャドーの選手に当ててワンタッチで展開してチャンスをつくったり、ポケットを取る動きを繰り返したり、パスを回しながらも常にフィニッシュの形を共有しながら攻撃できているのが柏のサッカーなのだ。



























