■決勝2チームに共通するメンタリティー

 たしかに、現在のイングランドにはすべてのポジションに素晴らしい選手がプレーしている。そして、2022年のカタール大会のときから感じていたのだが、チームとしての完成度も高く、とてもバランスの良いチームだった。

 優勝候補の一つと見られていたのもうなずける。

 だが、イングランドには決勝戦を戦った両チームの選手たちが持っているような勝利への執着心がないように感じられたのである。準決勝のアルゼンチン戦でせっかく1点をリードした後の戦い方……。

 一般的にはトーマス・トゥヘル監督の采配の問題が指摘されているようだが、それより問題だったのはイングランドの選手たちのメンタリティーの問題だ。彼らはうまく行かないときには攻め急いでしまったり、あるいはリードしてから必要以上に守りに入ってしまったりするのだ。

 スペインの選手たちの「90分あるいは120分を通して、最終的に1点が取れればいい。優勢に戦っていても警戒は一瞬も怠らない」という勝利を追い求めるための強い覚悟。あるいはアルゼンチン選手たちの「どんなに攻め込まれてもゴールを割らせなければいい。数少ないチャンスを決めて勝利を手繰り寄せる」という強烈なメンタリティー。

 勝負に勝つためには、こうした勝負に徹したメンタリティーが必須なのではないだろうか? そんな事を考えさせられた決勝戦だった。

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