■アルゼンチンが激しいプレーを仕掛けた理由
一方、2大会連続で決勝進出を果たしたアルゼンチンだったが、必ずしも「順風満帆」とは言えない状態だった。グループステージこそ3戦全勝で勝ち上がってきたものの、決勝トーナメントに入ってからは大接戦の連続だったのだ。
格下と見られたカーボベルデとのラウンド32は点の取り合いとなり、延長戦まで戦ってようやく勝利。ラウンド16ではエジプトに2点を先行され、79分から90+2分までの間に3点を奪って逆転に成功。さらに、準決勝でもイングランドに先行を許してからの逆転勝ち……。
リードされてからの集中力や驚異的な決定力は特筆もので、中央で相手に抑え込まれると右サイドに位置を取って攻撃をリードするリオネル・メッシの判断力や戦術眼もさすがだった。
つまり、アルゼンチンはたしかに39歳になったメッシをはじめとする攻撃陣は強力だったものの守備は安定性に欠いており、準決勝までの7試合で6失点を記録していた。
決勝戦では純粋にチーム力を比較すれば、フランスを封じ込めたスペインが優勢なのは間違いなかった。少なくとも組織力を比べれば圧倒的にスペインが優勢だった。
アルゼンチンとしてはスペインの組織を何とか壊したかったはずだ。
前半の14分にはアルゼンチンのアレクシス・マクアリステルがスペインの攻撃的MFのダニ・オルモに対して深いタックルを浴びせた場面があった(直後に、スペインも報復としてアレックス・バエナが背後からメッシを倒した)。
アルゼンチンとしては、こうした激しいプレーを仕掛けることでスペインの組織力に綻びをつくろうとしたのだろう。






















