北中米の広大な大地を股にかけ、2026年ワールドカップを追い続ける“蹴球放浪家”後藤健生。熱戦が繰り広げられるピッチの裏側では、百戦錬磨のベテランジャーナリストでさえ頭を抱える想定外のトラブルが待ち受けていた。立ちはだかったのは長距離移動でも凶悪な治安でもなく、まさかの「大会主催者」!? 取材の生命線である“アクセス権”を巡る、波乱万丈の北中米放浪記が幕を開ける。
■取材の必須アイテム
さて、僕たちジャーナリストやフォトグラファーがワールドカップを取材するには、大会主催者であるFIFAに申請して許可をもらって、取材のためにスタジアムに入る前に取材許可証(=ADカード。以下、「パス」)をもらって、それを首からかけてスタジアムに向かいます。
スタジアムでは入口やメディアセンター、スタンドなど各所でこのパスのチェックを受けるわけです。
昔のパスは写真も紙焼きの写真を貼り付けたもので、入口にいる係員が視認で写真と本人を見ていたのですが、今はすっかり電子化され、パスに内蔵されているチップを読み取って確認します。
パスが必要なのは記者やカメラマンだけではありません。大会の統制区域に入るには、選手や監督、FIFA会長、警備の警察官や売店の売り子、ボランティアなどすべての人にパスが必要になります。
そして、フリーランスのジャーナリストやフォトグラファーは、ワールドカップのような注目度の高い大会ではパスを手に入れるのにかなり苦労するわけです。
最初に日本サッカー協会(JFA)に申請して、JFAが認めた人だけにFIFAに申請するためのコードが割り当てられるのです。


































