■なぜ川崎は「全盛期の強さ」を取り戻せないのか

 風間八宏氏が基礎をつくり、鬼木達監督が完成させた川崎フロンターレはパス・サッカーを極めてJ1リーグで4度の優勝を飾った。

 ボールを保持した川崎にはフリーな空間にボールを送り込む天才、中村憲剛がおり、最後にシュートを決めるレアンドロ・ダミアン小林悠がいたので、ゴール近くまで運んだ後、石の輪にボールを通すことができたのだ。あるいは、三笘薫がいた時期には最終的には三笘が自分でボールを運んで決めきってしまうこともあった。

 だが、今の川崎には“石の輪”にボールを通す選手がいない。今でも、川崎が全盛期のようなパスワークを発揮する試合はあるが、残念ながらそれがゴールに直結しないのである。

“石の輪”にボールを通すことができないと、ポゼッション率をいくら上げても勝利には結びつかない……。それは、ワールドカップでも変わりはない。

 たとえば、スペインはアルゼンチンと並ぶパス・サッカーの体現者だが、初戦ではワールドカップ初出場のカーボベルデからゴールが奪えずスコアレスドローに終わった。

 4年前のワールドカップ・カタール大会では日本がスペインを破っている。

 だが、この試合、日本のボール保持率はわずか17.8%。奇跡のような勝利だった。

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