4年前のドイツ戦との違い、気の毒だった小川航基、流れを変えた切り札の投入【北中米W杯「オランダ戦そしてチュニジア戦」への大激論】(3)の画像
同点ゴールの立役者・小川航基に、ケンケンで駆け寄る久保建英。ストライカーだけにゴールが欲しかったことだろう。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 ワールドカップ初戦、日本代表は強豪オランダ相手に一歩も引かない堂々たる戦いを見せた。4年前のドイツ戦やスペイン戦とは明確に違う、より“対等”に近いピッチ上の空気。その中で浮き彫りになったのは、個の能力で圧倒しながらも試合を決めきれないオランダの構造的な弱点と、森保一監督が切った「交代カード」の驚きの的中率だった。大住良之と後藤健生の両氏が、ジョーカー・伊東純也の投入タイミングと、指揮官の思惑を読み解く。

■伊東純也投入で見えた敵の「弱点」

――後藤さんはこの試合ではただ守るのではなく、オランダと互角に戦う姿を見たいと話していましたが、印象はどうでしたか。

後藤「4年前のドイツ戦やスペイン戦に比べると、はるかに対等に近い戦いだったのは間違いない。しかし、チームプレーとしては対等に近いと思ったけど、個人の能力の差でやられちゃった。その点で追いつかないと、難しい勝負になるよね」

大住「そうだよね。球際で負ける回数がすごく多くて、それできつくなった。伊東純也が出てきて、ようやく攻撃時の球際で勝てるようになった気がした。伊東が出てきて、ちょっと雰囲気が変わったよね」

後藤「そうそう。交代で雰囲気が変わったし、ちょうどその頃、疲れが理由なのか分からないけど、オランダがエネルギーを失ったよね」

大住「あの時間帯に、興味深いことがあった。後半19分に2点目を取られた後、前田大然に代えて伊東を入れた。伊東が絡むようになって日本の攻撃が少しよくなったと思った瞬間にハイドレーションブレイク、というかテレビ放映のための“コマーシャルブレイク”が入って、ちょっと日本の勢いが消えたような感じがした。逆にオランダは、そのタイミングで3人を交代させたんだよね。その3人の役割は、本人たちにも周囲にも、しっかり認識されていたはず。それで、この交代でもう勝つ準備ができた、っていう雰囲気があったんだよね。まだ時間が残っているのにそんな感じになっちゃって、どうしてオランダがワールドカップで優勝できないのかが分かったような気がした」

後藤「それにオランダは皆が個人を主張するから、一体感のようなものがないしね」

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