■代表チームを空から追走
というわけで、翌朝「テレムンド」にチャンネルを合わせると、いきなりヘリコプターからの中継が入ってきた。そういえば、1994年のアメリカ取材でも、到着早々にテレビをつけて飛び込んできたのがヘリコプターからの中継映像だった。アメリカンフットボールの元スーパースター、O・J・シンプソンが元妻を殺して白い車で逃亡したのを、放送局のヘリが追走しながら生中継していた。
だが、今回は至って平和だった。ヘリが追っていたのは、メキシコ代表を乗せたチームバスだったのだ。ホテルから試合会場の「アステカ(現在では命名権を売って『エスタディオ・バノルテ』となり、このワールドカップではあるべきことか『メキシコシティ・スタジアム』とされているが…)」へ向かうのをずっと中継しているのだ。
「テレムンド」は前日からワールドカップへの期待を盛り上げる番組で埋まり、当日もキックオフの何時間も前からこの騒ぎなのである。
アステカでのセレモニーはちょうど30分間だった。ピッチいっぱいにダンサーが広がり、ステージ上ではシャキーラらが華々しく歌ったが、それでもメキシコの組織委員会は「主役」が何であるか、しっかり心得ていた。











